2010年 10月 21日
日産エルグランド |
初代モデルででっかい鉱山を掘り当てたモノの、当然それをトヨタが見逃すわけもなく、エスティマベースでちょいちょぃっと作ったアルファードがバカ当たり。さらにそれだけでは満足できないトヨタは、デザイン的には優れていた2代目エルグランドを叩き潰す為に、見た目もそっくりなヴェルファイアを投入。かくして日産対トヨタはいつもの図式に収まったわけです。
2代目があまり売れなかったのに躊躇したのか、3代目エルグランドの投入は遅れに遅れて8年ぶりのモデルチェンジ、その間に売れなかった理由を考えて導き出したのが「FRで狭いから」。そんなわけで、後出しされた方がマネをするって言う、どっちがどっちなんだか解らない展開になるも、取りあえずムラーノベースのFFフラッグシップミニバンをひねり出しました。
もちろんプラットホームの共用化が進めば、コストの削減も出来ますし、確かにFRベースより室内は広く出来るでしょうから、スペースが大事なミニバン、それも重役車にもなりうる車としては、トヨタ方式が結果として正解かもしれません。でも志し的には後退だよなと思いながら実車を見てみると、なんだか腑に落ちない点ばかり出てきます。
まずFF可によって車高が低く抑えられたという点。筆者は基本的に、後車の前方視界を遮る車全般が大嫌いなので、車高を少しでも低くしたと言うのは評価したいところなんですけど、所詮ミニバンはミニバンなので五十歩百歩な印象は変わりません。むしろこう言う車を購入したい下品な感覚を(失礼)お持ちの方々は、小山のような存在感で威張りの効くのを好むんじゃないでしょうか?
また「背を低くしたのでセダンからの乗り換えでもアルファード等より運転感覚に違和感がありません」的なことをセールスが言ってますが、これも、こういう車を買おうと思った人は、庶民を見下ろすような視線に優越感を感じて選ぶわけですから、ユーザーの好みの逆を行ってるような気がします。
そんな違和感はデザインからも感じます。顔こそ2代目エルグランドの印象をそのまま引き継いでいますが(これも8年前のデザインで、さらにヴェルファイアで猿真似されてるのに、まだ続けますか?と言う気もしますが)、車高を低くした事による印象の変化を意識したのか、変にキャビンを絞り込み、スポーティーな演出になってしまっています。
当然このしわ寄せは室内に影響していて、広々感が大事なミニバン、それもフラッグシップの室内が、FR時代と大して変わらない印象になってしまっているのです。トヨタに広さで負けたと判断してのFF化だったのに、全く何をやってるのか?という感じです。
初代、2代目FRエルグランドは、2代目の販売実績は別としても、車自体の仕上がりには王者の風格のようなモノが有りました。それが販売実績で完敗して縮こまったのか、この3代目はトヨタとの直接対決を避けようという、何ともチキンな方向性です。その方向性は、ホンダが失敗した方向と同じ。「背を低くして運動性能を良くする」いやいや、オデッセイしかり、エリシオンしかり。8年間何を見てきたのでしょう?
何度も言いますが、エルグランドは日産のフラッグシップミニバンなわけです。ニッチな戦略取って、ちょこっと台数稼ごうなんて車じゃダメですよね?コンセプトもデザインも、骨太で王道を感じさせる車じゃないと。こんな事をしてるから、せっかく生み出した鉱脈を簡単に奪われちゃうわけですよ。
室内デザインも、2代目の、質感こそ及ばないモノの新しいモノを生み出そうという姿勢は素晴らしかったのに、何?この見慣れた木目頼りのデザイン?こういうデザイン、質感で、クラウンを擁するトヨタに勝てるわけがありません。室内スペースも、ホンダの同コンセプトに比べて、低床化技術のツメが甘いのか、明らかに狭いです。3列目シート、荷室は、とてもフルサイズミニバンとは思えない狭さです。こんな結果を招くのだったら、背なんか低くしなくて良いでしょう?
幸い初代エルグランドを買ってくれたユーザーが、乗り換えてくれる可能性が有るので、そこそこ台数は出るかも知れません。でもこんな志しの低いエルグランドに、日産ファン、エルグランドファンは忠誠を誓う必要は無いですよ。結局次のアルファード、ヴェルファイアが、巧みに背を低くしたデザインをこなして、差は開く一方になるでしょう。
よく日産ファン、ホンダファンは「トヨタは後出しジャンケンでズルい」的な事を言います。確かにその通りです。でも日産もホンダも、後出しジャンケンのさらに後出しでどうして挽回しないのでしょう?一度後出しされて負けると、たいがい日産もホンダもその鉱脈は諦めて、変化球に逃げてしまいます。トヨタが後出しジャンケンで売れる車を作るのなら、それをマネして研究して、よりよい車を生み出すべきでしょう?
2代目エルグランドまでは有った、キングオブミニバンとしての本物感。それがこのFFエルグランドからは残念ながら感じられません。
2代目があまり売れなかったのに躊躇したのか、3代目エルグランドの投入は遅れに遅れて8年ぶりのモデルチェンジ、その間に売れなかった理由を考えて導き出したのが「FRで狭いから」。そんなわけで、後出しされた方がマネをするって言う、どっちがどっちなんだか解らない展開になるも、取りあえずムラーノベースのFFフラッグシップミニバンをひねり出しました。
もちろんプラットホームの共用化が進めば、コストの削減も出来ますし、確かにFRベースより室内は広く出来るでしょうから、スペースが大事なミニバン、それも重役車にもなりうる車としては、トヨタ方式が結果として正解かもしれません。でも志し的には後退だよなと思いながら実車を見てみると、なんだか腑に落ちない点ばかり出てきます。
まずFF可によって車高が低く抑えられたという点。筆者は基本的に、後車の前方視界を遮る車全般が大嫌いなので、車高を少しでも低くしたと言うのは評価したいところなんですけど、所詮ミニバンはミニバンなので五十歩百歩な印象は変わりません。むしろこう言う車を購入したい下品な感覚を(失礼)お持ちの方々は、小山のような存在感で威張りの効くのを好むんじゃないでしょうか?
また「背を低くしたのでセダンからの乗り換えでもアルファード等より運転感覚に違和感がありません」的なことをセールスが言ってますが、これも、こういう車を買おうと思った人は、庶民を見下ろすような視線に優越感を感じて選ぶわけですから、ユーザーの好みの逆を行ってるような気がします。
そんな違和感はデザインからも感じます。顔こそ2代目エルグランドの印象をそのまま引き継いでいますが(これも8年前のデザインで、さらにヴェルファイアで猿真似されてるのに、まだ続けますか?と言う気もしますが)、車高を低くした事による印象の変化を意識したのか、変にキャビンを絞り込み、スポーティーな演出になってしまっています。
当然このしわ寄せは室内に影響していて、広々感が大事なミニバン、それもフラッグシップの室内が、FR時代と大して変わらない印象になってしまっているのです。トヨタに広さで負けたと判断してのFF化だったのに、全く何をやってるのか?という感じです。
初代、2代目FRエルグランドは、2代目の販売実績は別としても、車自体の仕上がりには王者の風格のようなモノが有りました。それが販売実績で完敗して縮こまったのか、この3代目はトヨタとの直接対決を避けようという、何ともチキンな方向性です。その方向性は、ホンダが失敗した方向と同じ。「背を低くして運動性能を良くする」いやいや、オデッセイしかり、エリシオンしかり。8年間何を見てきたのでしょう?
何度も言いますが、エルグランドは日産のフラッグシップミニバンなわけです。ニッチな戦略取って、ちょこっと台数稼ごうなんて車じゃダメですよね?コンセプトもデザインも、骨太で王道を感じさせる車じゃないと。こんな事をしてるから、せっかく生み出した鉱脈を簡単に奪われちゃうわけですよ。
室内デザインも、2代目の、質感こそ及ばないモノの新しいモノを生み出そうという姿勢は素晴らしかったのに、何?この見慣れた木目頼りのデザイン?こういうデザイン、質感で、クラウンを擁するトヨタに勝てるわけがありません。室内スペースも、ホンダの同コンセプトに比べて、低床化技術のツメが甘いのか、明らかに狭いです。3列目シート、荷室は、とてもフルサイズミニバンとは思えない狭さです。こんな結果を招くのだったら、背なんか低くしなくて良いでしょう?
幸い初代エルグランドを買ってくれたユーザーが、乗り換えてくれる可能性が有るので、そこそこ台数は出るかも知れません。でもこんな志しの低いエルグランドに、日産ファン、エルグランドファンは忠誠を誓う必要は無いですよ。結局次のアルファード、ヴェルファイアが、巧みに背を低くしたデザインをこなして、差は開く一方になるでしょう。
よく日産ファン、ホンダファンは「トヨタは後出しジャンケンでズルい」的な事を言います。確かにその通りです。でも日産もホンダも、後出しジャンケンのさらに後出しでどうして挽回しないのでしょう?一度後出しされて負けると、たいがい日産もホンダもその鉱脈は諦めて、変化球に逃げてしまいます。トヨタが後出しジャンケンで売れる車を作るのなら、それをマネして研究して、よりよい車を生み出すべきでしょう?
2代目エルグランドまでは有った、キングオブミニバンとしての本物感。それがこのFFエルグランドからは残念ながら感じられません。
by sarorac
| 2010-10-21 15:43
| 日産