初代は8年、2代目は7年。3代目はインプレッサとしては異例の4年でのモデルチェンジとなりました。先代が売れなかったのか、トヨタからお金が入ってくるようになったからかは不明ですけど、マイチェンで顔を替えまくった2代目、5ドアだけと宣言したのにセダンを追加した3代目と迷走続きで、どうにもインプレッサという車を売りあぐねている感じです。
特に三菱共々WRCから撤退して、インプレッサ=ラリー=走りの良さと言う売り方がしにくくなって以降、ランエボとのライバル関係が自動車雑誌の紙面を飾ることも少なくなり、インプレッサも往時を過ぎた、過去の車のようになってしまったきらいがあります。
そんな逆境のなか生まれた4代目ですが、今回はそこそこ売れるかも知れません。と言うのも、現行レガシィの存在があるからです。レガシィと言えば日本で扱うのに適度なサイズでありながら、しっかりと作り込まれたクラスレスな車として、確実に固定ファンを抱えていました。ところが現行5代目レガシィでは、その販売の中心を北米と考え、一気にサイズアップを果たし、デザイン的にもそれまでのレガシィが持っていたも凝縮感のようなモノを失ってしまいます。
北米でレガシィがヒットすることによって、この判断は経営的には成功したモノの、日本国内のレガシィファンからは、否定的な意見が多く上がります。そこでこのインプレッサの登場です。大きくなりすぎたレガシィに対して、日本国内で使いやすいサイズのインプレッサを代替モデルとして買ってもらおうという考えです。
サイズは初代、2代目レガシィの中間程度の大きさになり、デザイン的にも、現行レガシィ風でもあり先代レガシィ風でもある。ただ現行レガシィのような腰高感は有りませんから、レガシィが失ってしまった凝縮感のようなモノを上手く表現できている感じです。インプレッサらしいかと言われれば微妙ですが、初代ヒット以降は明確なキャラクターづけに失敗してきたインプレッサなので、インプレッサに見えるより、レガシィの小さいのに見える方が大事という判断でしょう。
個人的には直線基調でボクシィなデザインは、華やかさには欠けますが、スバルらしい実直な印象を上手く表現できていると思います。少なくとも2.3代目のインプレッサの迷走感は払拭できてますし、レガシィの代替と考えても、その雰囲気は3代目までのレガシィのイメージに近いのではないでしょうか?特にセダンG4の方は、明確にレガシィB4からの乗り換えを意識しているようで、リアにインプレッサの表記は無く、スバルマークと「G4」のエンブレムが有るのみです。これは「インプレッサ」のレガシィの格下的イメージを嫌い、レガシィ「B4」を連想させようという意図だと思います。
内装質感はスバルらしいプラスチッキーで残念な仕上がり。先代に比べればマシになってるんでしょうけど、スバルの進歩のスピードより、他車の進歩の方がはるかに上で(笑)。スバルファンはここは目をつぶるところなのでしょうか?代々本当に質感が上がりません。デザイン的にも特に驚きの有るものではありませんが、今回は旧型レガシィの代替を狙っているわけですから、これぐらいコンサバなモノでよいのでしょう。
例のごとく、自分から図々しく言ったりはしませんが、勧められればホイホイさせてもらうのが試乗のポリシー。勧められたのでG4の1.6Lに乗せて貰いました。短い試乗コースでの簡単な印象ですが、段差などはトントン軽やかに跳ねますが、ボディ剛性感も高く収まりも良いので不快な感じはしません。こう言う乗り心地が好きな人も多いと思います。ただタイヤ周りの遮音が全く出来てなくて、終始しゃーっと言う音が響き渡ります。雑誌提灯記事では「とても静かになった」的記述が多かったですが、ヤフーのユーザーレビューを見ると同様な書き込みをそこそこ見かけます。
音に関してもう一つ。サンバイザーを跳ね上げると、それが天井に当たって屋根に音が響きます。今までこんな車経験したことがありません(笑)。天井内装パネルはぺらぺらでバイザーが直接天井に当たってる雰囲気です。大丈夫だとは思いますが、車横転時に不安が残りますよねぇ?
アイドリングストップは、何の気配りもなくガッとブレーキを踏んで停止すると、確実に反応しますが、停止直前にブレーキを抜いて停止時の揺れを軽減するような、ていねいな運転をする人だと反応しないことが有るダメ設定です。アイドリングストップはまだまだ発展途上な技術なので仕方ないのかも知れませんが、今のところ雑な運転手向きな制御で残念に思います。コンピーターの設定の仕方の問題だと思うので、マイチェン時の修正を期待したいところです。
総じて今回のインプレッサ、スバルらしい車に仕上がっていると思います。特にG4の方はセダン好きには刺さりそうな車です。プレミオ/アリオンやブルーバードのような旦那仕様ではなく、拘りが感じられるセダンに乗りたい。今までそう言う車はギャランフォルティスぐらいしかありませんでしたが、今度のG4はそれより一般的な格好良さがあると思います。
ただひとつ解らないのが、エンジンのラインナップが1.6Lと2.0Lと言うこと。先代の廉価版は1.5Lだったわけで、今時モデルチェンジでベースモデルの排気量が大きくなると言うのはどうでしょう?しかも日本では、1.5L以上では税金の区分けが変わるわけです。WRCの現行規定が1.6Lターボですから、その辺りを睨んでいるなんて話しもまことしやかに語られていますが、今のスバルがWRCに復帰できるのでしょうか?
むしろスバルにはターボエンジンの技術が有るのですから、むやみに排気量を拡大せずに、欧州車のように小さいエンジンにターボ付きで、エコイメージをアップさせるべきだったのではないでしょうか?現状日本車で、この小排気量ターボでのエンジンのダウンサイジングをしたメーカーは有りません。スバルのようなメーカーこそ、一番乗りすべき技術だったと思います。