ダイハツ曰く「第3のエコカー」。ハイブリッドでも電気でもなく、今までの技術の延長線上で、低燃費な実用車を作る。マツダのスカイアクティブと同じような思想の車です。09年の東京モーターショーにコンセプトモデルが発表され、その時点で10.15モード燃費はリッター30キロ。これを市販車でもクリヤー出来るのかというのが注目だったわけですが、見事リッター32キロを達成しています。
ただモーターショー時点では、なかなか格好良い車だったんですよね。イース。3ドアで車体もコンパクト。主に二人乗りとしての使い方を前提として、サイズの小ささ=軽量化にも繋がってたはずです。ところが市販車として出てきたモノは、全然違う形で見事なまでの実用車。全く持って色気のかけらもないデザインで、ここ10年程度の軽自動車の形そのものという感じです。
せっかく第3のエコカーとまで言っている新型車が、こんな変わり映えしない形で良いのか?と車好きは思ってしまいますが、ダイハツにとってこの形は、過去の反省を活かしたデザインだとも言えるのです。ダイハツは数年前、軽自動車のフラッグシップとも言うべき流麗なフォルムを持つスペシャリティーカー、ソニカを投入するも失敗。さらにその数年前には、性能の追求よりも低価格とデザイン性を全面に打ち出したエッセを販売するも、こちらも思ったほど台数は伸びませんでした。
この2台の反省から、性能が凄くても、デザインが優れていても、高品質であっても、オシャレであっても、軽自動車は売れない。残念ながら軽自動車は、貧乏性の日本人の国民性がフルに出てしまうカテゴリーで、結局、安いとか、広いとか、燃費がよいとか、そう言う事柄が正義になるのだと学習したわけです。
その結果がこの形で全くオシャレではないですが、誰もが頭に描く軽自動車そのもので抵抗感が有りません。これで良いんです。なのに、驚異的な低燃費を実現しつつ、価格は十分に安い。ハイブリッドや電気自動車のような、価格上昇分を燃費で取り返すには何年乗れば・・・的な計算をする必要が有りません。
車の白物家電化が進んでいると言われてきましたが、ある意味究極の白物家電車と言えるでしょう。イースを選ぶ際にデザインを気にする人なんて殆どいないんじゃないでしょうか?よく冷えるのか?どれぐらい入るのか?氷はすぐ出来るのか?そんな冷蔵庫みたいな車です。
そんなわけで車好きには全く来ないイース。お店の人が試乗を勧めてくれたので、ほいほい乗せてもらいます。一応試乗コースは設定されてはいるモノの、珍しいことに同乗者無しのフリー試乗です。燃費コンテストみたいな企画も開催されてますが、そんなの気にしてエゴ運転(周りの交通の流れを無視して、自分の燃費だけを追求する乗り方)をして、色々試せないは嫌なので気にしないことにします。
そもそも車を見ている時にも思ったんですが、全てにおいてペナペナ。ドアの開閉音と言い、鉄板の印象、内装(特に後席ドア)のプラッチックを押した感じ、とてもダイハツの軽自動車とは思えないペナペナ感。言ってみればダイハツが作ったスズキ車みたいなペナペナ。
こんなにペナペナでも、走向していて悪路などにさしかかっても、ガタピシ音がしないのはさすがに最新型の軽だなと思いますが、タイヤのせいか、遮音材省いているのか走行音はそれなりにします。この辺りも何というかスズキ的。低燃費実現の要アイドリングストップですが、試乗したのが夕方でライトオンだった為、停止前にエンジンが止まっちゃうと言うのは体験できず。普通のアイドリングストップ車と同様、停止してからエンジン止まっていました。
この「時速7キロ以下になったらエンジンストップ」の際に、制動に違和感が出ないのか?再加速したらどうなるのか?と色々試したかったんですが、体験できず残念でした。ちなみにアイドリングストップからの再始動は、普通に自分でエンジン再始動してる感じで、派手にセルモーターが回って、毎度毎度キュルキュル始動します。他社はこのアイドリングストップ後の再始動に気を遣ってるようですが、取りあえずダイハツの人は気にならないようです(笑)。
車についてる燃費計によると、街中エゴ運転ならリッター20キロ越えはかなり余裕です。ただ交通の流れに乗って、普通に運転すると(それでも車間距離を取って無駄なアクセル操作はしてません)リッター15キロ程度でしょうか?よく「ふんわりアクセルでスタート」なんて言ってますけど、車は始動時が一番燃料を食うわけですから、ふんわりアクセルでちんたら走る車のせいで、信号に引っかかってばかりだったり、ちんたら車を追い越そうとして急加速をすると、むしろ全体の燃費は悪化するはずなんですよね。車はスムーズに流れている時が一番燃費がよいのは、高速80キロ〜100キロの燃費が一番良いことでもわかる事なんですけど。
と言うわけで、安くて燃費が良い車が欲しければどうぞ。個人的には全く魅力を感じません。ダイハツ軽ならのしっかりした感じが無くなっちゃってるのも大きな減点ポイント。大体これミラのモデルチェンジじゃダメだったんですかね?それとも実はお得意の名前すり替え、主力車チェンジなんでしょうか(笑)。フェロー→フェローマックス→マックスクオーレ→クオーレ→ミラクオーレ→ミラ→ミライース→イース?